LaTeXの概要¶
TeXとLaTeX¶
TeX¶
- \(\TeX\)は組版システム(typesetting system)である1。 ドナルド・クヌース(Donald Ervin Knuth)氏2によって開発された。
- 英語圏では「テック」、日本語圏では「テフ」等と読むことが多いようだ。
- \(\TeX\)のようにEを下付き文字にできない場合はTeXと書く。
LaTeX¶
- \(\LaTeX\)は\(\TeX\)の強化版である。オリジナルはレスリー・ランポート(Leslie B. Lamport)氏3によって開発された。
- 英語圏では「レイテック」、日本語圏では「ラテフ」や「ラテック」等と読むことが多いようだ。LaTeXの入門書として有名な「LaTeX美文書作成入門」では「ラテック」で書名の読み仮名が登録されているようだ5。
- \(\LaTeX\)のようにAを上付き文字にしたりEを下付き文字にしたりできない場合はLaTeXと書く。
LaTeXのテンプレート¶
- 多くの電気情報系の学会で、LaTeXのテンプレートが提供されている。
- 私が良く参照する論文の学会としては、情報処理学会、電子情報通信学会、日本ソフトウェア科学会、IEEE、ACM等が挙げられます。いずれもLaTeXのテンプレートが提供されている。
- 学会へ論文を投稿する際には、学会で定められた様式で論文を作成する必要がある。学会で提供されているLaTeXのテンプレートを用いることで、論文の執筆者は論文の内容に注力することができる。論文の体裁はLaTeXのテンプレートに任せることができる。
LaTeXの処理系¶
- 日本語文書を処理する場合、
platex、pbibtex、dvipdfmx等のコマンド群をインストールする必要がある。 - 英語文書を処理する場合、
pdflatex、bibtex等のコマンド群をインストールする必要がある。 - これらのコマンド群は個別にインストールするのではなく、通常はTeX Live4を用いてまとめてインストールする。
- レガシーなLaTeXとモダンなLaTeX
platexはレガシーなLaTeXとよばれることがある5。一方、モダンなLaTeXとしては、LuaLaTeXなどが挙げられる。- 情報処理学会のLaTeXのテンプレートを使用するには、現状としてレガシーLaTeXの
platexを使用する必要がある。このため、実務的な観点から本ウェブサイトではレガシーLaTeXについて記載する。
余談¶
新しい組版システムの登場
2023年にTeXとは異なる組版システムとしてTypstが公開された。公式サイトによると、TypstはLaTeXと同じくらい強力ではるかに簡単に学習および使用できるように設計されているそうである。
論文の投稿者の立場からすると、実務的には投稿先の学会がTypstに対応したフォーマットを提供または受付しているかどうかが問題である。また、主著者だけでなく共著者もTypstに十分習熟している必要がある。また、大学で使うには学生への教育環境もある程度は必要となる。
学会の立場からすると、Typstに対応した論文管理システムを用意できるかどうか、Typstのノウハウを持った校正担当者が居るかどうか、論文に関するメタ情報(題目、著者、概要、キーワード、投稿日、受理日、出版日、参考文献の参照、被参照情報)を機械可読性のある形式で抽出できるか、LaTeXとWordに加えてTypstの選択肢を増やすことで管理上のコストが純増することなど、考慮しなければならないことが沢山ある。
一方で、LaTeXも改善が続けられている。(しかし、インストールとコンパイルが遅いことは否め無いと思います。)
いずれにしても、選択肢が増えることは良いことである。
TeXが登場する漫画
- 絹田 村子、数字であそぼ。、10巻、小学館、2023、978-4-09-872213-6
-
奥村晴彦、黒木裕介:LaTeX美文書作成入門、改訂第9版、技術評論社、p.6、2023、978-4-297-13889-9 ↩↩